あいうえお・ABC なぜ どこが むずかしい?どうしたら 読み書きできる?
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『言葉と思考』(今井むつみ・岩波新書)によると「前」「後」「左」「右」ということばを持たない言語があるそうです。必然的に「東西南北」だけを使って生活する人々は、英語や日本語など「前後左右」ということばを使って生活する人々よりも、方角を特定する能力に優れているそうです。 それから考えられるのは、使う言語によって「右」と「左」、b / d / p / qを区別する能力にも違いがあるかもしれないということです。いずれにせよ、大人になっても右と左をよく間違えるという人がいるくらいですから、子どもたちにとってもb と d、 p と qの区別が簡単でないことは確かです。 他にアルファベットではh / r / u / n / m や f / t 、i / l などを混同することが多いようです。苦手とする文字や困難の度合いも様々ですが、学習能力全般とはかかわりなくb と d、fとtなどなかなか区別できるようにならない子もいます。

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