あいうえお・ABC　なぜ　どこが　むずかしい？どうしたら　読み書きできる？

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以上からわかることは、まず、多少読めない文字があったとしても全体を見通して読むことができれば、内容理解はできること、反対に、一文字一文字を音にすることはできても、それだけでは読んで理解することは難しいということです。そしてさらに言えば、語や文を読んで理解するということは、私たちが思っているよりずっと複雑で難しいということです。 今、読み書きがそれなりにできるようになった私たちは、その難しさを忘れてしまっています。あなたはいつ、誰から「選挙区」と「戦局」「千曲」などのアクセントの違いを教わったのでしょう? 誰かに教わったのではないとすると、一体どうやってその発音の仕方を身につけたのでしょう？ 考え始めると、まだよくわからないことだらけです。 子どもたちに読み書きを学ばせようとするなら、私たちは「ほとんど何もわかっていない」ということを肝に銘ずる必要がありそうです。さもないと、夏目漱石のようなタイプの子に「お手本をよ～く見て、何度も何度も繰り返し書きなさい」と言ってしまったり、「おにがしまに…」と読ませるのに一文字一文字を指さしながら読ませたりと、まるで逆効果となりかねないことをしでかしてしまう可能性があります。