あいうえお・ABC なぜ どこが むずかしい?どうしたら 読み書きできる?
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(1) いつから始めるか 練習方法についてお話しする前に、いくつか大切なことを確かめておきたいと思います。まずは、読み書きの練習はいくつぐらいから始めればよいかということについて。それは早いに越したことはないのかもしれませんが、大器晩成とも言います。無理強いをして苦手意識をもたせてしまっては元も子もありません。何にしても潮時は、「その子が興味を示し始めたとき」に他なりません。基本は、待つことです。 だからと言って、ただ待っていればよいということでもありません。刺激がなければ、学びは必然的に限られたものになるでしょう。無理強いはいけませんが、軽く背中を押すことは大切です。このあたりの加減はちょっと難しいところですが、読み書きについて言えば、すべきことはシンプルです。 まずは、絵本などの読み聞かせでしょう。読み聞かせについては良い参考書もたくさん出ていますし、Web上でもわかりやすくポイントがまとめられたページがありますのでここでは深入りを避けます。しかし、できるだけたくさんの絵本にふれる機会を持ちたいものです。もちろんここでも、「落ち着いて聞きなさい!」ということにならないようにします。最初は持ち物にその子の名前を書いて、一文字一文字を指さしながらゆっくり読んで聞かせるのもいいでしょう。 平らにならした道を手を引いてまっすぐ歩ませれば、知識や経験は幅の狭いものになるでしょう。寄り道をしたり、けつまずいてすり傷を作ったりしながらもその子自身の足で歩ませれば、遠回りにはなるかもしれませんが、主体的にそしてクリティカルにより深く学ぶ力が養えます。 1 練習を始める前に

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