あいうえお・ABC　なぜ　どこが　むずかしい？どうしたら　読み書きできる？

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事実、Aさんはとてもやさしい子でしたし、その先生もいい方だったと思います。しかし私たちは、お互いを「切れやすい生徒」「最悪な先生」と見てしまいがちであることも確かです。頑張りが足りないということは、Aさん自身の問題でもあることはもちろんです。しかし先生の側にも、Aさんがどこでどのような難しさを感じているのかなど、理解しようとする姿勢が足りなかったことは否定できません。 似たケースで、ミススペリングを繰り返す生徒のために単語や教科書の本文をノートに点線で書き、それをなぞらせていた先生がいました。大変な負担だったと思いますし、その努力には敬意を表したいとも思います。しかし少なくともその生徒にとって、その練習は徒労でしかなく、愛情は負担以外の何物でもありませんでした。文字と音をつなぐことを苦手としていた生徒は、それが何を示すかわからない点線をただ意味もなくなぞっていたのです。 そしてこの時も、生徒は先生を「最低なんです」と言っていました。とても悲しいすれ違いだと思います。