いつまでたっても「くり」と「へい」を読み間違えたり、bとdの区別がよくできなかったりすると聞けば、多くの方は「できないわけがないだろう。やる気がないからだ」と思われるかもしれません。あるいは「知的に問題があるのでは?」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし文字を理解するということは、私たちが思うほど簡単なことではないようです。かの文豪、夏目漱石はその作品『門』の中で主人公に次のように語らせています。 1 どうも「字」と云うものは不思議だよ
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