あいうえお・ABC なぜ どこが むずかしい?どうしたら 読み書きできる?
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書き困難 第1問 正解 ここで改めて、「書く(描く)こと」の課題を振り返りたいと思います。第1問は正確に描き写すことができましたか? すでにお気づきかもしれませんが、第1問の図形は第2問の八角形から辺や対角線の一部を消したものです。したがってこれをもとに戻したときに、正八角形にならなければ‘正確には’正解とは言えません。「そんなところまで…」という声が聞こえてきそうですが、日頃の漢字テストなどでは子どもたちも同じことを思っているかもしれません。 第1問は第2問より難しく感じた方も多いと思いますが、それは第1問の図形が「捉えどころがなかった」ためではないでしょうか。漱石にとっての「今」や醤油の「ょう」のように「捉えどころのない図形」は記憶にも残りにくくなります。とすれば、「湖」などもただ繰り返し書かせるより、「‘さんずい’に古(こ)」と気づきを得た上で練習したほうがはるかに効率的であろうことは明らかです。 一方、今までに試していただいた中には、第1問の図形を描く際にも「八角形を描いてから余分なところを消した」という方がごくわずかですがいらっしゃいます。全体を把握できた方は必然的にバランスよく描くことができます。では、第1問を八角形と見る方はそうでない方よりも優れているのでしょうか? 確かにある面では優れています。しかし必ずしもそうとは言い切れないようです。 10 3通りの描き方

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