habitはhaveと同じ語源から生まれた語で、ここでのhabitは「あとから身につけたもの」とでも理解すべきかとその子を知らずして、良い支援などできるはずがありません。しかし、その子が今「どのあたりにいるのか」、「何が上手にできて、何に、なぜ、どの程度の難しさを感じているのか」など、理解することはとても困難です。 アメリカの教育哲学者デューイは と言っています。大学生だった私は「子どもたちをよく見なさい」というだけのこと…だと思っていました。しかし、それから20数年後、あらためて読み返してみると、私は「わかったつもり」でいた自分に気がつかされました。 デューイは「能力」「興味」「習慣」を見抜く「心理学的洞察」から始めよと言いますが、「能力:capacities」「興味:interests」「習慣:habits」とは具体的に何を指しているのでしょうか? 辞書にhabitは「くせ、習慣」などとありますが、「習慣を見抜け」とはどういうことなのでしょう? 思います。具体的には、学ぶことに得意意識をもっているのか、それとも苦手意識を身につけてしまっているのかなどがあげられます。仮に英語学習の場面であるなら、英語に近いフランス語を母語としているのか、それとも言語間距離が遠い日本語を身につけているのかなども考えられるかと思います。 教育は、子どもの能力や興味、習慣を見抜く 心理学的洞察をもって始められなければならない DEWEY, J. 1897 1 「習慣」を見抜く?
元のページ ../index.html#6