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ライズタイム「無人島サバイバル シミュレーションゲーム」~ライズ学園日記~

2012年9月19日(水)

本日のライズタイムのお題は、
「無人島サバイバル シミュレーションゲーム~極限の状態で、人は何を選ぶのか~」
(サブタイトルはKSさんが考えてくれました!)

これまで、災害時に「自分の身を守る」ためのワークをしてきたみんなですが、今回は少し視点を変えて、自分の頭で考えたことを伝え、相手の意見も尊重しながら一つの結論を出すワークに挑戦。こういう力は、災害時に助け合うためにもとても大事なこと。また、災害準備グッズを考える足がかりにもなるはずです。

というわけで、スタートしたライズタイムの様子をご報告いたします。


「ライズのみんなで船旅に出かけました。
ところが途中、嵐におそわれ、みんなは無人島に流れ着きました。
船はあと10分で沈んでしまいます。
島には食べ物と水はありますが、他には何もありません。
島で生き抜いていくため、脱出するためには、いったいどんなものが必要でしょうか。
船から5つだけ物を運んでくることができるとしたら、あなたは何を運んできますか?」

司会の大嶋さんが、無人島のイメージを見せながらストーリーを語りだすと、みんなぞくぞくと前に集まってきて、真剣な顔つきに。

ワークシートを使い、最初に個人で考えた後、3グループに分かれて話し合いをしました。
話し合いで大切にしたいことは・・

①自分の意見をしっかりもち、相手に伝えよう
②自分と異なる意見も否定せず、うけとめよう

 
グループで話し合うときは、どの子も意見がいいやすいように、各アイテムのカードを使って、必要なもの(Needs)とあればいいもの(Wants)に分ける作業をしました。
どれをNeedsに、どれをWantsにするかで、どのグループもたくさんの意見が出ていました。

  「時計」  ・・・ 「日が昇ったら起きてお腹がすいたら食べて、暗くなったら寝ればいいんだから、いらない!」
  「マッチ」 ・・・ 「魚などを調理する時や、暖をとる時につかえるから絶対に必要。」「発煙したら救助信号にもなるよ!」 
  「鉛筆」・・・「たくさんの鉛筆をマッチみたいに並べてSOSを作る!」
  「鍋」・・・「いろんなものを入れて持ち運んだり、頭を守るためにも使えるよ!」
  「ナイフ」・・・「木をけずって食器が作れる!」
  「裁縫道具」・・・「森の中で狩りをしているときに大事なところが破けたら大変!」

 などなど・・ 

子ども達からどんどん意見がでてきて、それぞれがしっかり無人島ゲームに入り込み、考えていることに感動しました。

ただ、一人ひとりがしっかり自分の意見をもっているがゆえに、異なる意見をもつメンバーと一つの意見にまとめることに
苦労しているグループもありました。  Aグループは、「薬はNeedsでしょ!」「いやいや、無人島で人がいないんだからウィルスはないでしょ、Wantsでいいよ」・・ Needs を5個にしぼることが難しく、6個になってしまうようでした。

白熱の議論は、”自分の意見をしっかりもち、相手に伝えよう” を、皆がしっかりできている証拠ですね。
スタッフはあまり口出しせずに、見守っていました。   
すると終了5分前に、年長者のKSくんが、1歩ゆずって意見がまとまりました。
グループ全体のことを考え、他のメンバーの意見を取り入れたKSくんの姿に、びっくりしたとともに大きな成長を感じました。

最後は、各グループの発表をしました。
どの子も、自分のグループだけでなく、他のグループの発表を真剣に聞いていました。
グループに補佐役として入っていたスタッフにも、子ども達それぞれの素晴しかった点を発表してもらいました。







みんなで意見を一つにまとめるってとても難しいことですよね 1人ひとりが自分の意見を大切にしているとなおさら・・。
意見をまとめるためには、他の人の意見を受け入れたりなどの”ゆずりあい”が必要になります。
しかし、そういった結論はあえて子ども達には前もって告げずに、ワークをスタートしました。
まずは、子ども達にまかせよう!やってみてうまくいかなかったら、みんなで振り返りの反省をして、次回につなげればいい!と思っていたからです。

だから、KSくんのような”ゆずりあい”の行動が、自然に子ども達からでてきたことには、感動しました。
そして、見習わなければ・・と強く思いました。 大人が一番できていないかもしれませんね・・

そして、どの子も他のメンバーに気をつかいすぎることなく、自分の意見を主張できていたのは、みんなの人間関係が良いからだと思います。

また、機会をみつけてやりましょうね!