ご挨拶
子ども達が荒れるのは、学校のせい?
それとも家庭のせい?
誰が悪いとか、何のせいだとか
そんなことを言うのは、もうやめにして
私たちといっしょに、小さな一歩を踏み出しませんか。
私自身、公立中学校に16年間勤務していました。もちろん、子ども達といることに疲れたわけでも、その職に嫌気がさしたわけでもありません。「何も辞めるまでしなくても」と言ってくれた友人や上司もいました。
しかし、おそらく多くの人が考えている以上に、今の学校は深刻な状態にあります。いわゆる不登校といわれる小中学生は、全国で13万人を超えています。もちろんここには、「体は登校していても、心で不登校をしている子ども達」は含まれていません。
学力の低下も指摘されています。何を持って「学力」というのかは疑問が残るところです。「生きる力こそが大切だ」と言う人もいるでしょう。しかしその「生きる力」こそが低下していると感じているのは、私だけではないはずです。
「教育改革、すなわち学校教育改革」と考える向きもあります。しかし本当に学校の在り方を改めるだけで、事は足りるのでしょうか。まだ十分に語る言葉を持たない子ども達ではあるかもしれません。しかし彼らは世相を敏感に感じ取る触覚を持っているように思います。私達は社会の在り方そのものから見直すべきなのではないでしょうか。
中学教師として在った16年間、私はあまりにも無力な自身に苛立ち、忸怩(じくじ)たる思いにさいなまれ続けていました。「そんなお前に一体何ができるのか」という声が聞こえてくるような気もします。けれどもし、皆さんと力を合わせることができたなら、きっと何かを実現できるような気がするのです。
2004年3月
NPO法人 リヴォルヴ学校教育研究所
元理事長 小野村 哲