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カルチャー教室「福島の人の話を聞こう」~ライズ学園日記~


ライズ学園 本日カルチャー教室講師は、福島県三春町出身の渡部友紀(わたべゆき)さん。
福島第一原発事故の後、様々な体験と熟考の末、茨城県石岡市に子ども達と一緒に自主避難をする決断をしました。

「NHK震災証言~あの日わたしは~」
http://www9.nhk.or.jp/311shogen/map/#/evidence/detail/D0007010571_00000


手書きの地図で、福島の地理をわかりやすく説明してくださった渡部さん。

そもそもなぜ三春町で暮らすことにしたのか、
福島第一原発事故の後、自分たちの暮らしがどうなっていったのか、
子ども達にわかりやすい学校の様子を中心に、
衣食住の変化についても話してくださいました。

震災当時、小学3年生~5年生だった、ライズ学園中学生のみんな。

覚えていない子も、親は大変そうだったけど自分は特に暮らしの変化がなかったという子も、
環境の変化を敏感に感じていた子も、自分だけ別の地に一時移住することにするという大決断をした子も、
その当時のことを、いろいろと思い出しました。

 
後半は、「福島で原発事故を体験したある家族の物語」としてロールプレイングワークをしました。

福島県中通りの農家で、
60代の夫婦、30代の息子夫婦と孫が暮らしているという設定で、

原発事故の前と後でどのように暮らしや関係性や価値観が変わるのか、役を通して感じながら、
決断することの難しさも経験しました。

最終的な決断事項は、「これからどこで暮らすか」。

1つのグループは、みんなでつくば市に移住することにしました。唯一の知り合いと、つくば市役所の職員さんだけが頼り。一から生活を立て直さなければならない覚悟です。孫が稼げるようになる日を、みんなで期待しています。
もう1つのグループは、60代夫婦のリーダーシップで、息子夫婦だけ埼玉に移住することに。家族がばらばらになることを決断しました。これまで父と息子の二人三脚でやってきた農業の経営体を崩して、再スタートをきることに。

プログラムの最後は、
渡部さんが、お子さんが通っていた小学校の震災1年後の卒業式「祝辞」を、当時のPTA会長さんからもらって読んでくださいました。

「正しい答え」なんて何もない状態で、自分たちだけの答えを見つけ出すのって、すごく難しいこと。
原子力発電所の事故をどうとらえ、どう動くか、迷う。
そういう意味では、ここ茨城県つくば市周辺の住民も、三春町の住民と同じ状況だったのだと思います。

渡部さんの、
「いろいろな決断があるけれど、一生懸命考えて出した結果なら尊重しよう」
「大人だけではなく子ども達も一緒に考え、判断できるようにしよう」
「適材適所で、みんなが気持ちよくコミュニティをつくっていけるようにしよう」
という姿勢と行動力に、
スタッフもたくさんのことを学びました。

渡部さん、本当にありがとうございました。
渡部さんには、この後の「いばらき子ども大学」でもお世話になります。
今後ともよろしくお願いいたします!