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「オノムの英語の学び方・教え方」~リスニングテストに強くなる~ 補足ブログをアップしました
先日、英語の学習につまずいているという高校生の相談を受けました。
「英語の授業があると思うと、学校に行くのもいやになって…」ということだったのですが、つまずいていたポイントを指導すると、彼は最後に一言、「ああ、すっきりした!」と大きな声をあげ、「‘そういうことだったんだ’ってわかった」と笑顔を見せてくれました。
やる気がないというのは簡単ですが、わからないからやる気になれないというのも当然です。
私も含めて英語教師は、もう少し工夫をしなければいけないように思います。
今回、メルマガでは「リスニング・テストに強くなる」をテーマとしました。
以下、メルマガでは書ききれなかったことをお話しさせてください。
もうずいぶん前のことですが、茨城県の高校入試に「バスガイドさんが話すことを聞いて質問に答えなさい」という問題が出題されたことがありました。
要するに「これからみんなが何をしようとしているか」を答えればよかったのですが、このときの問題文には舞台が「潮来町(現在の潮来市):Itako Town」であることが書かれていませんでした。
日常生活の中で、何の脈絡もなしに‘Itako Town’を耳にすることはあまりないと思います。
この問題を受験した生徒達も、バスが「潮来町」に向かっているとあらかじめ知っていれば、‘We’ll soon arrive at Itako Town.’と聞いても混乱はしなかったでしょう。
しかし、当時、私が教えていた中には「潮来町」を「知らない。行ったことがない」という生徒が何人もいました。
彼らの多くは、「タコタン」「タコタン」と繰り返される地名にまどわされてすっかり混乱していました。
このときの正解は‘boat tour’でした。潮来が水郷で有名であることを知っている生徒であれば、放送を聞かなくても何となく正解を導き出せたかもしれませんが、そうでない生徒には大きなハンディキャップです。
決して悪い問題ではなかったと思いますが、この点においてはもう少し配慮が必要だったと思います。
受験生の側に立って考えると、このような問題に対するには「わからないところはとりあえず脇に置いて、ポイントを絞って聞き取れるようにすること」が大切です。
ところがテストなどでは、「ポイントを絞る」ということが難しく、「タコタン」などに振り回されてしまいがちです。
この問題について言えば、「Itako Town」は聞き取れなくてもまったく問題はないのですが、実際の場面では、「茨城の観光地 → ボートに乗る → タコタン? ああ、潮来タウンか」と理解できればいいのです。
日常生活の中でも私達は、相手の言っていることをすべて聞き漏らすまいと耳をそばだてることは少なく、たいていはポイントだけを聞いているのです。
騒音にかき消されて「……わ」としか聞き取れなくても、相手が手を振ったり頭を下げたりしていれば「こんにちは」と言っているのだなと、聞こえたような気になっていることさえあります。
私達の脳は、それが耳からの情報なのか、それとも目からの情報なのかなどは気にせず、情報を総合して判断しています。
トップ・ダウンによる情報処理とボトム・アップによるものとをバランスよく使っていると言い換えてもいいでしょう。
ところがなぜか、英語学習という場面になると、このバランスを崩してしまう人が多い。
これからの時代に求められる学力は、「考える力」だと言われます。
これを養うためにも「知識」が必要なことはもちろんですが、「詰め込み」になってはいけない。
英語教師に限らず、「考える力」を伸ばすには、生徒に情報処理をバランスよく行う術を身につけさせることが必要だと考えます。
ある意味、今の日本人に一番欠けているのは、このバランス感覚なのかもしれません。
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