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無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.17」〜日本語と英語:異なる点と似ている点(後半)〜
オノムの 英語の学び方 教え方【vol.17】◆◇◆ 2013年3月26日(火)発行
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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~
――――――――――――――――――――――――――――― vol.17
どうしたら、苦手を克服し、英語が得意になれるのか?
英語の勉強方法、教え方に迷っているあなたに、長年、学習につまずきがちな
子ども達の指導にあたる筆者が、最新の学習理論に基づいた具体的な学習方法
をわかりやすくアドバイス!
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4.1 日本語と英語:異なる点と似ている点(後半)
みなさんは‘Talking Twin Babies’ という動画をご覧になったことがありますか。
この動画を見ていると、遠い私たちの祖先もこんな言葉を話していたのかな、と思わされます。
まだの方がいらしたら、以下のサイトでご覧になってみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=_JmA2ClUvUY
よく聞いていると手前の子は「タタタタ?」と
最後を上げ気味にして何かを聞いているのに対して、
奥にいる子は文末を下げ調子にし、質問に答えているように聞こえます。
そこには「文法」らしきものの、芽生えも感じられます。
先回は、「見た目はかなり違うパンとクラッカーもレシピの違いは大さじ1杯のイーストだけ。
似たところなど何ひとつなさそうな言語も、実はレシピのほんの1カ所が違うだけかもしれない」
というベーカーの言葉を引用しました。
しかしこれは、「レシピがほんの1か所違っただけで、
言語はかなり違ったものになってしまう」ともとれます。
そこで今回は文法における日本語と英語の違い、ベーカーがいうところの
「ほんの1か所」とは何かについてお話ししたいと思います。
その答えは、簡単です。
日本語では「主語 + 目的語 + 動詞(S + O + V)」を原則とするのに対して、
英語では「主語 + 動詞 + 目的語(S+ V + O)」となるということです。
細部を見れば、日本語と英語の文法の違いは「ほんの1か所」どころではありません。
しかしさまざまな違いを生むもととなっているのは、
「目的語 → 動詞(O + V)」なのか「動詞 → 目的語(V + O)」なのかという
語順の違いにあります。
私は今、不登校の子ども達や英語を極端に苦手とする子ども達に、
個別に近い形で英語を教えていますので、その子によって指導方法や手順を少しずつ変えています。
しかしこの違いについては、‘I play tennis.’程度の文が読めるようになった段階で、
「‘テニスを + する’と‘play + tennis’との違い、後々、ここが大切だから確認しておこう」と、
一度は説明するようにしています。
そして高校レベルの複雑な文にふれる前に、何度も繰り返しこの点を確認します。
最近では高校生になってから、「どうしても英語が苦手で…」といって
私の教室にやってくる生徒も増えています。
そんな子ども達にこの話をすると、誰もがみな判で押したように
「そんなことはもう知っています」と言います。
しかし、私自身のこれまでの経験から言えることは、かなり多くの生徒が、
わかっているつもりだけで実際にはよくわかっていないということです。
以下の文はかなり複雑なので、英語が苦手という方は読み飛ばしていただいて結構なのですが、
語順の違いをきちんと理解できていない生徒が、
大学入試を前にしてこのような文に出くわすともうお手上げ状態になってしまいます。
‘ One of the reason for the popularity of tea-based drinks / might be / that many people like to have a non-sweetened green tea drink / with the rice balls / that they buy at convenience stores. ’
この文を単純にすると、「これはペンです」という文と同じように
‘This + is + a pen.’
‘The reason + is(may be) + that 以下’
となり、「(お茶の人気の)理由はこれこれです」と言っていることがわかります。
そしてその‘that 以下’が、
many people like green tea
みんな甘くないお茶が好きなんです。
with the rice balls ← they buy at convenience stores
コンビニで買った → おにぎりを食べるときには。
と、分解することができます。
日本語とは語順がまったくといっていいほど違っていますが、
その違いは、「目的語 → 動詞(O + V)」なのか
「動詞 → 目的語(V + O)」なのかということに起因しています。
(‘This is a pen.’は「S+ V +C」ですが)
‘I studied English last night.:昨夜、英語を勉強した’や
‘I went to Hokkaido to ski.:北海道にスキーをしに行った’程度までの文であれば、
この違いを意識しなくても、何となく文意を理解できます。
しかし上のように構造が複雑な文では、直感的な理解は難しくなります。
そして語順の違いに対する意識の不足は、次のような誤訳を生みます。
‘I milk cows every morning.’
× 私は毎朝、ミルクを飲みます。
(○ 私は毎朝、牛の乳しぼりをします。)
ここで‘milk’は「乳しぼりをする」という動詞で使われていますが、
生徒の多くは‘milk’は「牛乳」だと思い込んでいます。
このような誤訳をする生徒に「どの単語を見て‘飲む’としたの?」と尋ねると、
少し考えてから「cows?」、中には「morning ?」と答える子もいます。
これでは、語いを増やすことも難しくなります。
「並べ替え問題」に強くなるためのポイントをお話しした際にもふれましたが、
このような文は「私は毎朝、‘cow’を‘milk’します」ってどういうことだろう、
と考えられるようにすることが大切です。
私は子ども達に、脳をWindowsのコンピュータに例えて、
「みなさんは生まれたときに、日本語版Windowsを選びました。
でも、英語を勉強するときには、これを英語版にする必要があります。
それにはまず、日本語で‘あなたを + 愛している’というところを、
英語では‘love + you’の順にするということを覚えてください」と話します。
そしてさらに、「コンピュータならちょっと設定を変えるだけかもしれないけど、
長年、日本語版Windowsに慣れた人の脳は、簡単には切り替えができません。
だから少しずつ慣れていきましょう」とします。
さて、今回はこの辺りまでとしたいと思いますが、このメールマガジンそのものも、
次回をもってとりあえず休刊とさせていただきたいと思います。
次回は、今回の内容とも関連しながら、これまでを振り返り、
日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか、どうしたらその苦手を克服できるのか
についてお話ししたいと思います。
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