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無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.18」〜日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか〜

オノムの 英語の学び方 教え方【vol.18】◆◇◆ 2013年4月8日(月)発行

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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~

―――――――――――――――――――――――――――――  vol.18

どうしたら、苦手を克服し、英語が得意になれるのか? 
英語の勉強方法、教え方に迷っているあなたに、長年、学習につまずきがちな
子ども達の指導にあたる筆者が、最新の学習理論に基づいた具体的な学習方法
をわかりやすくアドバイス!

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5. 日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか

今日も強い風が吹きました。

事務所の前の公園の桜も、ほとんど散ってしまいました。

さて、日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか。

結論から申し上げれば、次の3点がその主な理由だと私は思っています。

1‘ b / d / p / q ’など形が似た文字を混同する

2‘h + at = hat’のような音いん操作に対しての不慣れ

3‘主語 + 目的語 + 動詞’と‘主語 + 動詞 + 目的語’という
  語順の違いに関する意識不足

1 は日本人に限ったことではありませんが、
ここでつまずく子は最初から大きな困難を抱えることになります。

カタカナの読み書きにも苦手を感じ自信を失いかけているところに、
英語が追い打ちをかけるというケースも多々あります。

2 でつまずく子の中には、暗記法に頼り必死の努力を重ねた結果、
中学2年生くらいまでは何とか授業について行っても、
高校入学後にはまったくお手上げ状態になることがほとんどです。

3 については、日本人の大半が該当するといってもよいでしょう。

私達は、不登校と呼ばれる状態にある子ども達の支援にあたっていますが、
これまでの経験から感じているのは、その背景に学習面でのつまずきが
潜んでいることが存外に多いということです。

不登校は中学1年から2年にかけて急増します。

もちろんその原因が1つなどということはあり得ませんが、
英語学習でのつまずきが不安やイライラをかき立て、
それが誘因となっていることも少なくないように思えます。

著名人や歴史上の偉人達の中にも、読み書きを苦手とした人が大勢います。

以上の3点について理解が進み具体的な工夫がなされれば、
埋もれがちな才能を伸ばすことができる。

そんな思いから始めたこのメルマガでもありました。

この春、7年前にライズ学園を巣立ったAさんから、
「明日から、社会人です」とメールをもらいました。

過去30年間に出会った生徒の中でももっとも優秀な生徒の1人ですが、
書くことを苦手としたAさんはまずカタカナでつまずき、
出会った頃はすっかり自信を失っていました。

高校時代は書くことはほとんどさせずに、
英語はコンピュータを使って学習しました。

先日、英語検定2級に合格したBさんは、
いまだに‘ big / dig ’のような語を読み間違えることがあります。

学習のペースもゆっくりで、小学生の頃は授業について行くことが
できませんでした。

もし不登校という選択をせずにいたら、
自分のペースで学ぶという機会を保障されていなかったなら、
今頃、英語は大の苦手になっていたに違いありません。

英語の授業中、清掃用具入れにパンチを入れて教室を飛び出したCさんは、
指を骨折してしまいました。

「痛かったろ。どうせなら、清掃用具入れなんかじゃなくて、
先生を殴っちゃえばよかったのに」というと、
Cさんはぽかんとした表情をして、
「そしたら、先生が痛いじゃないですか」と言いました。

心根のやさしさをわかっていたからこそ私もそのような発言をしたのですが、
Cさんのような子ども達もともすれば、
「カッとすると何をするかわからない」などとされてしまいがちです。

私自身、元は公立中学校の教師でした。
かつての教え子に「もし担任が先生(のようなダメ教師)でなかったら、
人生が違っていたかもしれない」と言われたこともあります。

しかしその後で彼が言ってくれた、
「だから今、がんばっているんでしょ。その分、いい仕事してくださいよ」
という言葉が私の心の支えです。

そして今、切実に思うのは、私のような失敗を若い先生方に
繰り返してほしくないということです。

誰だって、英語ができないよりは、できたほうがいいと思っています。
「ならば、がんばれ!」といわれても、自信がないからがんばれない。

私もかつては、「‘ b ’と‘ d ’の区別なんて、できないわけがないだろう。
やる気がないからだ」などと言ってきましたが、
それでは決してできるようにはなりません。
 
‘ b / d / p / q ’など形が似た文字を混同する子には、
「右手と左手でOKサインを作ってごらん。左手が‘b’と覚えておこう」とか、
「まず‘c’を書いて、たて棒を書いたら‘d’だよ」など
具体的なアドバイスが必要です。

そしてより多くの子ども達により高い壁として立ちふさがるのが、
「音いん的気づき」の不足と、それに伴う「音の足し算・引き算」の困難です。

ひらがなでは「ハ」は「は」と表記されるため、
‘h + at = hat’‘hit – h = it’のような音いん操作に対して、
私達日本人は不慣れとなりがちです。

‘ l / r ’以前に‘ m / n ’‘ p / f ’などの音識別に苦労する子もいます。

そのような子には、ローマ字入力によるタイピングの練習も有効です。

https://rise.gr.jp/ で紹介している「ABC英語れんしゅうちょう」には、
形が似た文字の混同を防ぎ、「音の足し算・引き算」の困難を軽減するための
工夫が凝らされています。

「RISE English Course英語カレンダー」なども活用していただければと思います。

‘主語 + 目的語 + 動詞’と‘主語 + 動詞 + 目的語’という
語順の違いに関する意識不足については、先回もふれました。

具体的な練習方法としては、並べ替え問題(語順整序問題)を
少しずつ解かせるようにするのも方法です。

その際、大切なことは、常に‘主語 + 動詞’の語順を意識させるようにすることです。

たとえば次のような問題では

[ days / lasted / the rain / three / for ] 雨は3日間降り続いた

まず、主語(the rain)を確認した後、
「主語の次には、(3日間ではなく)動詞だよね。雨がどうしたの?」
「それじゃ、‘続いた’を意味する動詞はどれだと思う?」
と導くようにします。

無用な混乱を避けるため、一度に多数の語を並べ替えさせたり、
「1語不要な語が入っている」など混乱しそうな問題は避けたほうが良いでしょう。

良問にふれれば、それだけ学習も効率的になります。

英語検定の過去問題を利用しても良いと思います。 

中学生であれば、英語学習ソフトウェア「RISE English Course 英語カン」
の中にある並べ替え問題も利用してみてください。

ここでは場面や文脈から、未習語の意味を推測しやすい英文を揃えています。

英語教師としても大切なのは、子ども達のつまずきを少しでも理解できるように努め、
具体的なアドバイスができるようにすることです。

そしてもっとも気をつけなければならないことは、わかったつもりになってしまうことです。

この点については、やはりhttps://rise.gr.jp/ で紹介している
「読み書き困難の疑似体験」を参考にしていただければと思います。

先回お話ししたように、このメルマガはひとまず休刊とさせていただきます。

大変勝手ながら、内容、発行方法等を再検討させていただく所存です。

当法人のFacebook上では、英語教育に関してもさまざまな情報を発信してまいります。

メルマガ再開の際のお知らせもこちらでさせていただくつもりです。

読者のみなさまには、心からのお礼を申し上げますとともに、
今後ともリヴォルヴ学校教育研究所をご支援いただけますようお願い申し上げます。


◎ 音の足し算で英語が得意に「RISE English Course英語カレンダー」

1日1単語で、苦手を防ぎ、得意を伸ばす。
「RISE English Course英語カレンダー」は下記のサイトで
無償ダウンロードいただけます。
https://rise.gr.jp/manaby/revolve_kyouzai/calender_free

たとえばリビングに貼って、親子の話題のきっかけに。

また、学校の教室でも。
カレンダーとして使い終わった後は、
切り取ってカルタとして遊ぶこともできます。

言葉に対する興味を引き出し、
自ら学ぶ力を育てる‘Tips !(ヒント・秘けつ)’、
書くことの困難を軽減する‘練習シート’ ともにご活用ください。


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