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無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.15 3.1.5 英語のテストに強くなる (5):長文問題に強くなる(後半)」

オノムの 英語の学び方 教え方【vol.15】◆◇◆ 2013年2月25日(月)発行

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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~

―――――――――――――――――――――――――――――  vol.15

どうしたら、苦手を克服し、英語が得意になれるのか? 
英語の勉強方法、教え方に迷っているあなたに、長年、学習につまずきがちな
子ども達の指導にあたる筆者が、最新の学習理論に基づいた具体的な学習方法
をわかりやすくアドバイス!

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3.1.5 英語のテストに強くなる (5):長文問題に強くなる(後半)

まだ寒い日が続きますが、陽ざしには春の気配も感じられるように
なってきましたね。みなさんはいかがお過ごしですか。

今回は最初に少しお知らせをさせてください。

当法人ではこのたび、英語の苦手を防ぎ得意を伸ばすための
「英単語カレンダー(無償です!)」を作成しました。

小中学生など入門者向けで1日1単語、これを1年間練習していただけば、
ほとんどどんな単語でも読み書きできるようになります。

当法人のWebサイトからダウンロードいただけます。
https://rise.gr.jp/manaby/revolve_kyouzai/calender_free

個人向けには3月1日スタート、
学校等でもご利用いただけるように4月8日スタート版も用意します。

これを利用いただくことで、
少しでも子ども達のつまずきを軽減できればと思います。

お知り合いにもご紹介いただければ幸いです。

さて、12月25日号の補足ブログでふれた高校生のA君も、
「英語の授業があると思うと、学校に行くのもいやになって…」と
言っていた一人でした。

今回は、そんな彼らの授業の様子を再現しながら、
先回お話しした読解のポイントを確認したいと思います。

課題としたのは、センター試験2007年本試験の第4問Aの問題です。

グラフを見ながら英文を読み、3つの質問に答えます。

Web上で「2007年センター英語」と検索していただき、
問題文を確認の上でご覧ください。

先回、長文読解でも「類推を働かせること」が大切とお話ししましたが、
この問題はグラフさえ読み取れれば、ほとんど本文を読まずとも正解できます。

折れ線グラフのタイトルは
‘Production of Packaged Soft Drinks:パックされたソフト・ドリンクの
‘production’です。

ここでA君は‘production’は読めても意味がわかりませんでしたので、
英語のままにしておきます。

グラフの下には日本語で、
「データ:全国清涼飲料工業会、『清涼飲料関係統計資料』2005」とあります。

2004年の時点で

第1位 = Tea drinks   第2位 = ?(X)とCoffee drinks(同量)   

第4位 = ?(Y)    第5位 = Sports Drinks    第6位 = ?(Z)   です。

問1は‘In the graph, which type of drinks does “X” stand for ?’、

要するに「‘Which …“X”?’:どれが“X”ですか」ということです。

私はまず
「“X, Y, Z”に入りそうなのは何だと思う?」と質問しました。

そこで出てきたのは、
「お茶? いや、どっちも‘Tea Drinks’に含まれるか?
じゃあ、炭酸系? あと、オレンジジュースとか?」という答えです。

「じゃあ、コーヒーと同量で第2位の“X”はその内のどれだと思う?」

「やっぱり、炭酸でしょう」

「じゃあ、炭酸飲料って英語で何と言うの?」

「いや、それがわからない」

単語がわからなければ長文問題は解けないという発想では、ここでストップですが…。

「それじゃ、選択肢の中から‘炭酸飲料’を探してみてください」

するとA君はすぐに、「① Carbonated drinks」を指さし、

「カーボン、そうカーボンだ」と言いました。

私はホワイトボードに「CO2」と書き、「二酸化炭素だよね」としました。

第2問は、4つの英文の中から本文の内容に合ったものを選ぶ問題です。A君らは4つの英文を、

 (1) Carbonated drinks were still leading in popularity in 2014.
  (2014年、炭酸飲料はleading している)

 (2) Production of coffee drinks had increased dramatically
    since their introduction.
  (コーヒーの‘production’はドラマチックに‘increase’している)
 
  (3) Production of fruit juices declined from 1987.
  (フルーツジュースの‘production’は1987年から減少している)
 
  (4) Vegetable juices took over a considerable portion of the soft drinks market.
  (野菜ジュースは清涼飲料マーケットの‘considerable portion’を‘took over’している)

と読んだ結果、グラフも見ながら
 
「(1)と(2)はない。リードしていないし、‘dramatically’ではない。
(4)も何となくなさそう。…たぶん、(3)が正解」と、予測しました。

そこで私は、

「③で‘減少する’って言ったけど、それはどの単語を見て言ったの?」

「‘decline’ですか」

「それは自信がある?」

「あまりないけど、音からして何となく減少していそうな感じ」

「それならもし、第4位に落ちた‘Y’が‘fruit juice’なら正解だね」として、

ここで初めて本文を読んで‘fruit juice’を探すように指示しました。

本文中には10行目に、

Fruit juice had fallen to fourth … with a drop in production …

とあり、‘fallen:落ちる、fallの過去分詞’などから
彼の推測が正しかったことがわかります。

先回はもう1つのポイントとして、「S + V + Oを確認すること」を挙げました。

実際の指導場面では、「主語はどれ?」「‘何が、どうした’っていっているの?」と
繰り返し確認をしています。

‘decline:下に(de)曲げる(cline)→断る、下落する’のような
語に対するストラテジーを伸ばすためには、
日頃から語根(cline)や接頭辞(de)、接尾辞、
さらに「音からの印象と意味」との相関性などについても再三指導をしています。

先回、そして今回とお話ししていることの1つは、
単語を丸暗記するような学習方法がいかに非効率的かということです。

これと同様に、語根や接頭辞、接尾辞を暗記することもお勧めしません。

これらを取り上げるのは、単語を分析的に捉える力をつけ、
場面や文脈から書かれた内容を推測する力を伸ばすためです。

このような練習を繰り返していけば、無理に暗記しようとなどしなくても、
いつのまにか必要な知識が身についてしまうものです。

なお、誤解のないようにしておきたいと思いますが、
私は「辞書が不必要」だと言っているのではありません。

私の授業ではまめに辞書をひかせます。

しかし異なるのは、それが単語の意味を調べるためではなく、
推測した意味を確認するためであるということです。

得てして予想は外れますが、大切なのは正否ではなく、
自分で考えるということです。

当法人のブログには、
今回の記事のメルマガの補足記事も載せましたので、ぜひこちらもご覧ください。https://rise.gr.jp/archives/7844

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《今日のポイント》

・ 意味がわからない単語は、S + V + Oを確認し、
 「‘pollution’が‘sea animals’を‘harm’している」などとして、
 場面や文脈から類推を働かせて読むようにする。

・「単語を覚えなきゃ、長文問題はできるようにならない」ではなく、
 上のような方法でまとまった英文を読むことを繰り返し、
 「読むことで、ボキャブラリーを増やす」ようにする。

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 次回は「日本語と英語:異なる点と似ている点(前半)」をお届けします。

 
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