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オノムの英語の学び方・教え方

回転 英単語カード〜Wordspin〜(無償ダウンロード) を公開しました

 

 リヴォルヴ学校教育研究所では、「回転英単語カード~Wordspin~」(無償ダウンロード)を新たに公開いたしました。
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無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.18」〜日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか〜

オノムの 英語の学び方 教え方【vol.18】◆◇◆ 2013年4月8日(月)発行

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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~

―――――――――――――――――――――――――――――  vol.18

どうしたら、苦手を克服し、英語が得意になれるのか? 
英語の勉強方法、教え方に迷っているあなたに、長年、学習につまずきがちな
子ども達の指導にあたる筆者が、最新の学習理論に基づいた具体的な学習方法
をわかりやすくアドバイス!

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5. 日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか

今日も強い風が吹きました。

事務所の前の公園の桜も、ほとんど散ってしまいました。

さて、日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか。

結論から申し上げれば、次の3点がその主な理由だと私は思っています。

1‘ b / d / p / q ’など形が似た文字を混同する

2‘h + at = hat’のような音いん操作に対しての不慣れ

3‘主語 + 目的語 + 動詞’と‘主語 + 動詞 + 目的語’という
  語順の違いに関する意識不足

1 は日本人に限ったことではありませんが、
ここでつまずく子は最初から大きな困難を抱えることになります。

カタカナの読み書きにも苦手を感じ自信を失いかけているところに、
英語が追い打ちをかけるというケースも多々あります。

2 でつまずく子の中には、暗記法に頼り必死の努力を重ねた結果、
中学2年生くらいまでは何とか授業について行っても、
高校入学後にはまったくお手上げ状態になることがほとんどです。

3 については、日本人の大半が該当するといってもよいでしょう。

私達は、不登校と呼ばれる状態にある子ども達の支援にあたっていますが、
これまでの経験から感じているのは、その背景に学習面でのつまずきが
潜んでいることが存外に多いということです。

不登校は中学1年から2年にかけて急増します。

もちろんその原因が1つなどということはあり得ませんが、
英語学習でのつまずきが不安やイライラをかき立て、
それが誘因となっていることも少なくないように思えます。

著名人や歴史上の偉人達の中にも、読み書きを苦手とした人が大勢います。

以上の3点について理解が進み具体的な工夫がなされれば、
埋もれがちな才能を伸ばすことができる。

そんな思いから始めたこのメルマガでもありました。

この春、7年前にライズ学園を巣立ったAさんから、
「明日から、社会人です」とメールをもらいました。

過去30年間に出会った生徒の中でももっとも優秀な生徒の1人ですが、
書くことを苦手としたAさんはまずカタカナでつまずき、
出会った頃はすっかり自信を失っていました。

高校時代は書くことはほとんどさせずに、
英語はコンピュータを使って学習しました。

先日、英語検定2級に合格したBさんは、
いまだに‘ big / dig ’のような語を読み間違えることがあります。

学習のペースもゆっくりで、小学生の頃は授業について行くことが
できませんでした。

もし不登校という選択をせずにいたら、
自分のペースで学ぶという機会を保障されていなかったなら、
今頃、英語は大の苦手になっていたに違いありません。

英語の授業中、清掃用具入れにパンチを入れて教室を飛び出したCさんは、
指を骨折してしまいました。

「痛かったろ。どうせなら、清掃用具入れなんかじゃなくて、
先生を殴っちゃえばよかったのに」というと、
Cさんはぽかんとした表情をして、
「そしたら、先生が痛いじゃないですか」と言いました。

心根のやさしさをわかっていたからこそ私もそのような発言をしたのですが、
Cさんのような子ども達もともすれば、
「カッとすると何をするかわからない」などとされてしまいがちです。

私自身、元は公立中学校の教師でした。
かつての教え子に「もし担任が先生(のようなダメ教師)でなかったら、
人生が違っていたかもしれない」と言われたこともあります。

しかしその後で彼が言ってくれた、
「だから今、がんばっているんでしょ。その分、いい仕事してくださいよ」
という言葉が私の心の支えです。

そして今、切実に思うのは、私のような失敗を若い先生方に
繰り返してほしくないということです。

誰だって、英語ができないよりは、できたほうがいいと思っています。
「ならば、がんばれ!」といわれても、自信がないからがんばれない。

私もかつては、「‘ b ’と‘ d ’の区別なんて、できないわけがないだろう。
やる気がないからだ」などと言ってきましたが、
それでは決してできるようにはなりません。
 
‘ b / d / p / q ’など形が似た文字を混同する子には、
「右手と左手でOKサインを作ってごらん。左手が‘b’と覚えておこう」とか、
「まず‘c’を書いて、たて棒を書いたら‘d’だよ」など
具体的なアドバイスが必要です。

そしてより多くの子ども達により高い壁として立ちふさがるのが、
「音いん的気づき」の不足と、それに伴う「音の足し算・引き算」の困難です。

ひらがなでは「ハ」は「は」と表記されるため、
‘h + at = hat’‘hit – h = it’のような音いん操作に対して、
私達日本人は不慣れとなりがちです。

‘ l / r ’以前に‘ m / n ’‘ p / f ’などの音識別に苦労する子もいます。

そのような子には、ローマ字入力によるタイピングの練習も有効です。

https://rise.gr.jp/ で紹介している「ABC英語れんしゅうちょう」には、
形が似た文字の混同を防ぎ、「音の足し算・引き算」の困難を軽減するための
工夫が凝らされています。

「RISE English Course英語カレンダー」なども活用していただければと思います。

‘主語 + 目的語 + 動詞’と‘主語 + 動詞 + 目的語’という
語順の違いに関する意識不足については、先回もふれました。

具体的な練習方法としては、並べ替え問題(語順整序問題)を
少しずつ解かせるようにするのも方法です。

その際、大切なことは、常に‘主語 + 動詞’の語順を意識させるようにすることです。

たとえば次のような問題では

[ days / lasted / the rain / three / for ] 雨は3日間降り続いた

まず、主語(the rain)を確認した後、
「主語の次には、(3日間ではなく)動詞だよね。雨がどうしたの?」
「それじゃ、‘続いた’を意味する動詞はどれだと思う?」
と導くようにします。

無用な混乱を避けるため、一度に多数の語を並べ替えさせたり、
「1語不要な語が入っている」など混乱しそうな問題は避けたほうが良いでしょう。

良問にふれれば、それだけ学習も効率的になります。

英語検定の過去問題を利用しても良いと思います。 

中学生であれば、英語学習ソフトウェア「RISE English Course 英語カン」
の中にある並べ替え問題も利用してみてください。

ここでは場面や文脈から、未習語の意味を推測しやすい英文を揃えています。

英語教師としても大切なのは、子ども達のつまずきを少しでも理解できるように努め、
具体的なアドバイスができるようにすることです。

そしてもっとも気をつけなければならないことは、わかったつもりになってしまうことです。

この点については、やはりhttps://rise.gr.jp/ で紹介している
「読み書き困難の疑似体験」を参考にしていただければと思います。

先回お話ししたように、このメルマガはひとまず休刊とさせていただきます。

大変勝手ながら、内容、発行方法等を再検討させていただく所存です。

当法人のFacebook上では、英語教育に関してもさまざまな情報を発信してまいります。

メルマガ再開の際のお知らせもこちらでさせていただくつもりです。

読者のみなさまには、心からのお礼を申し上げますとともに、
今後ともリヴォルヴ学校教育研究所をご支援いただけますようお願い申し上げます。


◎ 音の足し算で英語が得意に「RISE English Course英語カレンダー」

1日1単語で、苦手を防ぎ、得意を伸ばす。
「RISE English Course英語カレンダー」は下記のサイトで
無償ダウンロードいただけます。
https://rise.gr.jp/manaby/revolve_kyouzai/calender_free

たとえばリビングに貼って、親子の話題のきっかけに。

また、学校の教室でも。
カレンダーとして使い終わった後は、
切り取ってカルタとして遊ぶこともできます。

言葉に対する興味を引き出し、
自ら学ぶ力を育てる‘Tips !(ヒント・秘けつ)’、
書くことの困難を軽減する‘練習シート’ ともにご活用ください。


☆ ご意見・ご感想はこちら ☆
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    └─→ https://rise.gr.jp/contact
 
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メールマガジン「オノムの 英語の学び方 教え方」

○発行責任者:NPO法人リヴォルヴ学校教育研究所
○公式サイト:https://rise.gr.jp/
○問い合わせ:https://rise.gr.jp/contact
○登録・解除:http://www.mag2.com/m/0001574644.html

RISE English Course 英語カレンダー練習シート の販売を開始しました


RISE English Course 英語カレンダーに準拠した練習シート(実用新案登録出願中)が完成しました。
英語カレンダー(無料ダウンロード可)、指導者用の手引きTips(無料ダウンロード可)と3点セットで、
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☆ RISE English Course 英語カレンダー練習シートの詳細はこちらから↓
https://rise.gr.jp/manaby/revolve_kyouzai/english_calender_worksheet

 
(練習シートの特長)
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RISE English Course 英語カレンダー練習シート 

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  練習シートといえども、ここでの練習目的は「書くこと」ではなく、英単語が「読めるようにすること」です。文字と音の関係を理解している子は、そうでない子の何倍もの速さで「聞く力」など総合的な英語力を伸ばすことができます。

※ シートはダウンロード販売で、個人用 200円、学校・教室用 400円です。 
※ プリントアウトして何度も練習できるのでお得です!
※この「練習シート」の販売によって生じた収益は,すべてを東日本大震災に被災した子ども達、そして不登校や学習につまずきがちな子ども達の支援活動に充てます。

☆ RISE English Course 英語カレンダー練習シートの詳細はこちらから↓
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RISE English Course 英語カレンダー(無料)4か月分をダウンロードできます

 

   もうすぐ新学期ですね。
 学校でもご家庭でも使える「RISE English Course 英語カレンダー」4か月分をアップしました。

 https://rise.gr.jp/manaby/revolve_kyouzai/calender_free

 
  春休み(3月)スタート版をご利用の方、新学期(4月)スタート版をご利用の方、それぞれにご活用いただけるようになっております。ご意見・ご感想もお待ちしております。
 


 
春休み(2013年3月)スタート版の方はこちらから 新学期(2013年4月)スタート版の方はこちらから

 

無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.17」〜日本語と英語:異なる点と似ている点(後半)〜


オノムの 英語の学び方 教え方【vol.17】◆◇◆ 2013年3月26日(火)発行

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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~

―――――――――――――――――――――――――――――  vol.17

どうしたら、苦手を克服し、英語が得意になれるのか? 
英語の勉強方法、教え方に迷っているあなたに、長年、学習につまずきがちな
子ども達の指導にあたる筆者が、最新の学習理論に基づいた具体的な学習方法
をわかりやすくアドバイス!

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4.1 日本語と英語:異なる点と似ている点(後半)

みなさんは‘Talking Twin Babies’ という動画をご覧になったことがありますか。

この動画を見ていると、遠い私たちの祖先もこんな言葉を話していたのかな、と思わされます。
まだの方がいらしたら、以下のサイトでご覧になってみてください。

http://www.youtube.com/watch?v=_JmA2ClUvUY

よく聞いていると手前の子は「タタタタ?」と
最後を上げ気味にして何かを聞いているのに対して、
奥にいる子は文末を下げ調子にし、質問に答えているように聞こえます。

そこには「文法」らしきものの、芽生えも感じられます。

先回は、「見た目はかなり違うパンとクラッカーもレシピの違いは大さじ1杯のイーストだけ。
似たところなど何ひとつなさそうな言語も、実はレシピのほんの1カ所が違うだけかもしれない」
というベーカーの言葉を引用しました。

しかしこれは、「レシピがほんの1か所違っただけで、
言語はかなり違ったものになってしまう」ともとれます。

そこで今回は文法における日本語と英語の違い、ベーカーがいうところの
「ほんの1か所」とは何かについてお話ししたいと思います。

その答えは、簡単です。

日本語では「主語 + 目的語 + 動詞(S + O + V)」を原則とするのに対して、
英語では「主語 + 動詞 + 目的語(S+ V + O)」となるということです。

細部を見れば、日本語と英語の文法の違いは「ほんの1か所」どころではありません。
しかしさまざまな違いを生むもととなっているのは、
「目的語 → 動詞(O + V)」なのか「動詞 → 目的語(V + O)」なのかという
語順の違いにあります。

私は今、不登校の子ども達や英語を極端に苦手とする子ども達に、
個別に近い形で英語を教えていますので、その子によって指導方法や手順を少しずつ変えています。

しかしこの違いについては、‘I play tennis.’程度の文が読めるようになった段階で、
「‘テニスを + する’と‘play + tennis’との違い、後々、ここが大切だから確認しておこう」と、
一度は説明するようにしています。

そして高校レベルの複雑な文にふれる前に、何度も繰り返しこの点を確認します。

最近では高校生になってから、「どうしても英語が苦手で…」といって
私の教室にやってくる生徒も増えています。

そんな子ども達にこの話をすると、誰もがみな判で押したように
「そんなことはもう知っています」と言います。

しかし、私自身のこれまでの経験から言えることは、かなり多くの生徒が、
わかっているつもりだけで実際にはよくわかっていないということです。

以下の文はかなり複雑なので、英語が苦手という方は読み飛ばしていただいて結構なのですが、
語順の違いをきちんと理解できていない生徒が、
大学入試を前にしてこのような文に出くわすともうお手上げ状態になってしまいます。

‘ One of the reason for the popularity of tea-based drinks / might be / that many people like to have a non-sweetened green tea drink / with the rice balls / that they buy at convenience stores. ’

この文を単純にすると、「これはペンです」という文と同じように

‘This   +  is            +  a pen.’
‘The reason  +  is(may be) +  that 以下’

となり、「(お茶の人気の)理由はこれこれです」と言っていることがわかります。

そしてその‘that 以下’が、

many people like green tea
みんな甘くないお茶が好きなんです。

with the rice balls ← they buy at convenience stores
コンビニで買った → おにぎりを食べるときには。

と、分解することができます。

日本語とは語順がまったくといっていいほど違っていますが、
その違いは、「目的語 → 動詞(O + V)」なのか
「動詞 → 目的語(V + O)」なのかということに起因しています。
(‘This is a pen.’は「S+ V +C」ですが)

‘I studied English last night.:昨夜、英語を勉強した’や
‘I went to Hokkaido to ski.:北海道にスキーをしに行った’程度までの文であれば、
この違いを意識しなくても、何となく文意を理解できます。

しかし上のように構造が複雑な文では、直感的な理解は難しくなります。

そして語順の違いに対する意識の不足は、次のような誤訳を生みます。

‘I milk cows every morning.’
× 私は毎朝、ミルクを飲みます。
(○ 私は毎朝、牛の乳しぼりをします。)

ここで‘milk’は「乳しぼりをする」という動詞で使われていますが、
生徒の多くは‘milk’は「牛乳」だと思い込んでいます。

このような誤訳をする生徒に「どの単語を見て‘飲む’としたの?」と尋ねると、
少し考えてから「cows?」、中には「morning ?」と答える子もいます。

これでは、語いを増やすことも難しくなります。

「並べ替え問題」に強くなるためのポイントをお話しした際にもふれましたが、
このような文は「私は毎朝、‘cow’を‘milk’します」ってどういうことだろう、
と考えられるようにすることが大切です。

私は子ども達に、脳をWindowsのコンピュータに例えて、
「みなさんは生まれたときに、日本語版Windowsを選びました。
でも、英語を勉強するときには、これを英語版にする必要があります。
それにはまず、日本語で‘あなたを + 愛している’というところを、
英語では‘love + you’の順にするということを覚えてください」と話します。

そしてさらに、「コンピュータならちょっと設定を変えるだけかもしれないけど、
長年、日本語版Windowsに慣れた人の脳は、簡単には切り替えができません。
だから少しずつ慣れていきましょう」とします。

さて、今回はこの辺りまでとしたいと思いますが、このメールマガジンそのものも、
次回をもってとりあえず休刊とさせていただきたいと思います。

次回は、今回の内容とも関連しながら、これまでを振り返り、
日本人はなぜ英語を苦手としがちなのか、どうしたらその苦手を克服できるのか
についてお話ししたいと思います。


◎「RISE英語(4線)ノート」には、苦手を防ぐ工夫がいっぱい!

 もう新学期の準備はお済みですか?
 英語用の練習ノートと言えば、中学1年生用は幅が広く、学年が進むにつれて幅が狭くというのが常識ですが、ただ広ければ書きやすいというものではありませんし、高校生でも幅の狭すぎるノートはおすすめできません。

 「RISE英語(4線)ノート」には、「音の足し算・引き算」に慣れるための工夫の他、苦手をふせぎ得意を伸ばす工夫がいっぱいです。

 また、このノートの販売によって得られた収益は、印刷製本費などを差し引いた全額を東日本大震災被災児童生徒の支援に充てます。

 「森の教材館マナビィ」https://rise.gr.jp/manaby で販売しておりますので、ぜひ一度お手にとってみてください。

無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.16」〜日本語と英語:異なる点と似ている点(前半)〜

オノムの 英語の学び方 教え方【vol.16】◆◇◆ 2013年3月10日(日)発行

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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~

―――――――――――――――――――――――――――――  vol.16

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4.1 日本語と英語:異なる点と似ている点(前半)

教室からの帰り道、ふと見ると、早咲きの梅が満開になっていました。

あの震災から、2年になるのですね。

細々とですが、私達は被災した子ども達の支援活動を続けています。
みなさんのお知り合いで、近々結婚されるなど、
切手やハガキをまとめて購入される方はいらっしゃいませんか。

当法人では、全国のみなさんからお届けいただいた未使用葉書を
切手と交換し、これを現金化することで、
小中学校に花苗をお届けするなどしています。

ぜひ、みなさんもお力をお貸しください。

詳しくは、リヴォルヴ学校教育研究所のFacebook(https://rise.gr.jp/
からお入りいただけます)をご覧ください。

さて、昨年発行した第4号で、日本語のオノマトペ(擬音語、擬態語)と
英語の間には不思議なくらい通じるものがあるとお話ししたのを
覚えてらっしゃいますか。

模擬単語テストの中で、(10)「かすかな光り:gleam」を
思い出していただくためのヒントとして、
「初めの2文字は‘gloss:つや / 光沢’‘glory:栄光’と同じ」
をあげました。

この3語に共通しているのは「光」ですね。

日本語でも「ギラギラ光る」と言うように、
英語でも‘gl-’は光を表す語に用いられます。

日本語と英語は意外と似ている。

違いは違いとして確認した上で、どこがどう似ているかに気づけば、
より効率的な英語学習が可能になります。

といわれても、ピンとこない方が多いかと思います。
他にも「スルっと滑る」と「slip:滑る」「slide:滑る」、
「じっとしている」と「stand:立っている」「stay:…のままでいる」
など多くの例をあげることができますが、
たいていは「そんなの偶然でしょう」と笑われてしまいます。

これまでの常識では、
「日本語は英語からもっとも掛け離れた位置にある似ても似つかない言語」
とされてきましたから、それも当然かもしれません。

世界で使われている言語を「主語が省略できるかどうか」などの
基準でグループ分けをすると、
日本語と英語はほとんどの点で異なるグループに属することがわかります。

英語で‘I love you.’というところを日本語ではふつう「愛している」
としか言いません。

「あなたを愛している」ということはあっても、
「私はあなたを愛している」ということはまれです。

しかしある著名な言語学者は、
「見た目はかなり違うパンとクラッカーもレシピの違いは
大さじ1杯のイーストだけ。(日本語と英語のように)
似たところなど何ひとつなさそうな言語も、
実はレシピのほんの1カ所が違うだけかもしれない」
と言っています。

このような考え方は、言語学以外の研究からも
支持されるようになってきています。

今、地球上に暮らすすべての人の祖先は、
ある限られた地域で生まれ、世界中に広がっていったとされます(単一起源説)。

だとすれば、私達の祖先も、英語を母語とする人々の祖先も、
遠い昔は同じような言葉を話していたと考えるのが自然です。

まだわずかですが、このような考え方を支持する論文も発表され始めています。

極論すれば、英語は日本語の方言であり、
日本語は英語の方言であるともいえそうです。

栃木弁と茨城弁はよく似ていますが、
同じ日本語でも鹿児島弁とはずいぶん違っています。
いわゆる「沖縄弁」は、「琉球諸語」として日本語とは別の言語
とされるて然るべきです。

しかし鹿児島弁を日本語ではないと考える人はまずいませんし、
「琉球諸語」までを日本語と考えている人もいます。

政治的な問題を脇に置くとすれば、
要は、言語と言語の間の距離感の問題です。

生物の進化について研究する人々からも、
興味深い報告がなされています。

魚類と哺乳類であるクジラやイルカなど、
別々の場所で進化した系統的にも異なるグループに
属する生物の姿かたちが、不思議なくらいに似てくる
という進化の不思議についてです。

今はそのほとんどが絶滅してしまった有袋類(カンガルーなど)と
お腹の中で子育てをする真獣類(私達もここに入ります)
の進化を見ても、そこには偶然とは思えない共通性があるそうです。
興味がある方は
「収斂進化(しゅうれんしんか)」で検索をしてみてください。

端的に言えば、進化には必然性があるらしいということです。

大昔は同じ言葉を話していたとしても、日本語と英語が
ずいぶんとかけ離れていることは間違いありません。
しかし言語も生物と同じように似たような進化をとげるとするならば、
やはり日本語と英語は、まったく似ていないとするほうが不自然で、
似ていてあたり前だという結論にたどり着きます。

先ほどご紹介した言語学者マーク・C・ベーカーが
その著書「言語のレシピ」でふれているのは、文法に関する問題です。

しかし音や音から受ける印象についても、同じことが言えそうです。

‘dam:ダム’と唇を閉じればいかにも「流れをせき止める」感じがしますが、
これをもし‘dash’としたら水が勢いよく吹き出してきてしまいそうです。

‘put’‘push’‘pull’のうちのどれが「押す」でどれが「引く」か
と言われれば、やはり何となく「push:押す」「pull:引く」だ
という気がしませんか。

このような音から受ける印象は、どうやらすべての人に共通するようです。

外国語を学ぶ際には、「音韻的気づき」が非常に重要な役割を
果たすこともわかってきています。

「音韻的気づき」などというと難しそうですが、
それは本来だれもが少なからずもっているもの、
「何となくそんな気がする」という「何となく」にあたるものだといってよいでしょう。

金曜日の小学生のクラスで、「‘新鮮’は‘fresh’、
じゃ‘新鮮じゃない’は何て言うの?」という質問がでました。

‘stale’と答えると、子ども達は「いかにも古くなっていそう!」
と笑っていました。

‘stale’と「捨てる」がここまで似ているのは、偶然かと思います。
しかしここで大切なのは、子ども達がごく自然に
「‘fresh’はいかにも‘新鮮そう’だけど」としていることです。

先回、高校生が‘decline’の意味を尋ねられて、「音からして何となく‘減少’していそうな感じ」と言っていたことも思い出してみてください。

‘gl-’は「ギラギラ」、‘sl-’は「スルっ」に似ているかどうかは別としても、
このような「音に対する気づき」は、英語を英語のまま理解することにもつながります。


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《今日のポイント》

・ さまざまなの研究の結果から、世界中の言語は1つの言語から
  枝分かれしていったのではないかと考えられるようになってきている。

・ 日本語と英語にも、偶然で済ませることができない類似点がある。
  特に「音から受ける印象」については全人類に共通するのではないかと
  言われ始めている。
 (今回の内容について本格的な研究はまだ少なく、仮説の域を脱するものでは
   ありません。)

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◎「RISE英語(4線)ノート」には、苦手を防ぐ工夫がいっぱい!

印刷製本費などを差し引いた利益の全額を東日本大震災被災児童生徒の支援に
充てます。
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ぜひ一度ごらんください。

次回は「日本語と英語:異なる点と似ている点(後半)」をお届けします。
今回ふれることのできなかった文法にもふれる予定です。

 
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facebookで「Tips! for英語カレンダー」を紹介しています


英語カレンダーの進行に合わせて、英単語を効果的に身につけるために、子ども達にお話ししていただきたい Tips ! (ヒント / 秘けつ)を、face book で紹介しています。

“lamp ” はなぜ “L” なのか

いろいろな“鳴き方”

など、「へ~、そうなんだ!!」と思う話がもり沢山です。
お子さんに話すだけでなく、大人の英語雑学としても使えます。
是非ご覧ください。

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RISE English Course 英語カレンダー(無償版)を公開しました

現在、2013年3月―4月のカレンダーを無料でダウンロードできます!

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○ 「1日1単語」で、英語の読み書きがどんどんできるように!

  RISE English Course 英語カレンダーはA41枚で一週間分。これをプリントアウトして毎日1単語ずつ練習すれば、いつのまにかにほとんどどんな単語でも、すらすらと読み書きできるようになります。


○ 苦手を防ぎ、得意を伸ばす!ポイントは「音の足し算」!

  日本人が英語を苦手としがちな理由の1つとしてあげられるのが、「音に対する気づき」の不足、そして「音の足し算」への不慣れです。これに慣れれば、一見難しそうな単語もかんたんに読み書きできるようになります。

in ⇔ sin ⇔ sing ⇔ stings ⇔ string

tea ⇔ eat ⇔ meat ⇔ team ⇔ steam


○ 初級編の目標は1年間で‘1,000~2,000’単語!

  「1日1単語なら1年間では365単語じゃないの?」いえいえ、そこがRISE式がRISE式たる理由です。たとえば‘sing:歌う’を覚えれば‘ring:指輪’や‘wing:翼’も、‘stream:小川’を覚えれば‘dream:夢’や‘cream:クリーム’もかんたんに読み書きできるようになります。


○ カタカナ語の知識を生かせば、‘2,000’単語以上も夢じゃない!

 英語学習に生かすことができるカタカナ語は、多い人なら軽く1,000語を超えます。たとえば‘seam:縫い目’なども、「シームレス」や「ツーシーム(2つの縫い目に指をかけて投げる変化球)などで聞き覚えがありますね。


  RISE English Course 英語カレンダーには、その他にもここに書き切れないほどの工夫が満載されています。ご家庭や教室で、ぜひ、ご活用ください。


  私達は、より良い教材の普及によって、子ども達のつまずきの回避、軽減に貢献したいと願っております。教材の改善のため、みなさまのご意見やご感想をお聞かせいただければ幸いです。


○ ご利用にあたって

・このカレンダーの著作権は「NPO法人リヴォルヴ学校教育研究所」にあります。

・このカレンダーは、非営利目的に限り自由に利用できます。ただし、そのままプリントアウト、コピーをする場合に限られます。部分利用、翻訳等は含まれません。

・イラストには、マイクロソフト社が提供するクリップアートを一部加工して利用しています。



 

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無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.15」補足ブログ

英語は絶対に必要なのか? 


12月25日に投稿した記事の中でふれた高校生、「英語の授業があると思うと、学校に行くのもいやになって…」といっていたA君が夜の教室に通い始めています。

一緒に見ている生徒もそうなのですが、二人とも‘tree’を‘free’と読んだり‘humidity’を‘human’と間違えたりします。

しかし二人ともとても勘が良く、数学では満点に近い点数を取っているそうです。  

今年のセンター試験では、国語が非常に難しく、反対に英語のリスニングは簡単すぎて、ここで点数を稼いでいた生徒が不利になりました。

今の入試制度は平均的に点数が取れる生徒に有利であり、得意、不得意がはっきりしている生徒は不利になりがちです。

誰にでも得意、不得意はあるものです。だからこそ助け合いが必要になるのだとも思います。

これからの社会に求められるのは万能のリーダーではなく、自身の得意と不得意を理解し、自分らしさを上手に発揮できる人。

さらには、それぞれに異なる個性の集まりの中で、互いの良さを認め合える人ではないのでしょうか。

私も大学入試では、国語や社会では満点を取ったと記憶しています。

しかし英語や数学では点数が取れず、ようやく一校だけ補欠で合格できた私大に進学しました。

それでも私は、良い出会いに恵まれて、教師になることができただけよかったと思います。

ですがA君のように英語で大きくつまずいている子を見ると、かつての自分を思い出します。

現在の学校教育、そして入試制度は、このような子ども達の可能性の芽を、伸ばすどころか摘み取ってしまってはいないでしょうか。

こうして考えると、英語なんてできなくてもいいのではないかと思います。

さまざまな場面で、英語が必要となるのは確かです。

しかし企業の中で、会議を英語で行うなどという話を聞いていると、何か勘違いをしてはいないだろうかと思います。

日本で暮らす私達に、英語力は本当に必須なのでしょうか。

英語が、A君のような若者の自信や可能性を削いでしまっている。このような若者が全国にどれだけいるのだろうと考えると、英語をすべての子ども達に強いるようなことはすべきではないとも思えてきます。

中学や高校では、全員に英語にふれる機会を与えるにしても、入学試験の方法については見直すべき点があるのではないでしょうか。

少なくとも教師は、指導方法を根本から見直す必要があるのではないかと思います。

無料メルマガ「オノムの英語の学び方・教え方 vol.15 3.1.5 英語のテストに強くなる (5):長文問題に強くなる(後半)」

オノムの 英語の学び方 教え方【vol.15】◆◇◆ 2013年2月25日(月)発行

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~ オノムの 英語の学び方 教え方 ~

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どうしたら、苦手を克服し、英語が得意になれるのか? 
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3.1.5 英語のテストに強くなる (5):長文問題に強くなる(後半)

まだ寒い日が続きますが、陽ざしには春の気配も感じられるように
なってきましたね。みなさんはいかがお過ごしですか。

今回は最初に少しお知らせをさせてください。

当法人ではこのたび、英語の苦手を防ぎ得意を伸ばすための
「英単語カレンダー(無償です!)」を作成しました。

小中学生など入門者向けで1日1単語、これを1年間練習していただけば、
ほとんどどんな単語でも読み書きできるようになります。

当法人のWebサイトからダウンロードいただけます。
https://rise.gr.jp/manaby/revolve_kyouzai/calender_free

個人向けには3月1日スタート、
学校等でもご利用いただけるように4月8日スタート版も用意します。

これを利用いただくことで、
少しでも子ども達のつまずきを軽減できればと思います。

お知り合いにもご紹介いただければ幸いです。

さて、12月25日号の補足ブログでふれた高校生のA君も、
「英語の授業があると思うと、学校に行くのもいやになって…」と
言っていた一人でした。

今回は、そんな彼らの授業の様子を再現しながら、
先回お話しした読解のポイントを確認したいと思います。

課題としたのは、センター試験2007年本試験の第4問Aの問題です。

グラフを見ながら英文を読み、3つの質問に答えます。

Web上で「2007年センター英語」と検索していただき、
問題文を確認の上でご覧ください。

先回、長文読解でも「類推を働かせること」が大切とお話ししましたが、
この問題はグラフさえ読み取れれば、ほとんど本文を読まずとも正解できます。

折れ線グラフのタイトルは
‘Production of Packaged Soft Drinks:パックされたソフト・ドリンクの
‘production’です。

ここでA君は‘production’は読めても意味がわかりませんでしたので、
英語のままにしておきます。

グラフの下には日本語で、
「データ:全国清涼飲料工業会、『清涼飲料関係統計資料』2005」とあります。

2004年の時点で

第1位 = Tea drinks   第2位 = ?(X)とCoffee drinks(同量)   

第4位 = ?(Y)    第5位 = Sports Drinks    第6位 = ?(Z)   です。

問1は‘In the graph, which type of drinks does “X” stand for ?’、

要するに「‘Which …“X”?’:どれが“X”ですか」ということです。

私はまず
「“X, Y, Z”に入りそうなのは何だと思う?」と質問しました。

そこで出てきたのは、
「お茶? いや、どっちも‘Tea Drinks’に含まれるか?
じゃあ、炭酸系? あと、オレンジジュースとか?」という答えです。

「じゃあ、コーヒーと同量で第2位の“X”はその内のどれだと思う?」

「やっぱり、炭酸でしょう」

「じゃあ、炭酸飲料って英語で何と言うの?」

「いや、それがわからない」

単語がわからなければ長文問題は解けないという発想では、ここでストップですが…。

「それじゃ、選択肢の中から‘炭酸飲料’を探してみてください」

するとA君はすぐに、「① Carbonated drinks」を指さし、

「カーボン、そうカーボンだ」と言いました。

私はホワイトボードに「CO2」と書き、「二酸化炭素だよね」としました。

第2問は、4つの英文の中から本文の内容に合ったものを選ぶ問題です。A君らは4つの英文を、

 (1) Carbonated drinks were still leading in popularity in 2014.
  (2014年、炭酸飲料はleading している)

 (2) Production of coffee drinks had increased dramatically
    since their introduction.
  (コーヒーの‘production’はドラマチックに‘increase’している)
 
  (3) Production of fruit juices declined from 1987.
  (フルーツジュースの‘production’は1987年から減少している)
 
  (4) Vegetable juices took over a considerable portion of the soft drinks market.
  (野菜ジュースは清涼飲料マーケットの‘considerable portion’を‘took over’している)

と読んだ結果、グラフも見ながら
 
「(1)と(2)はない。リードしていないし、‘dramatically’ではない。
(4)も何となくなさそう。…たぶん、(3)が正解」と、予測しました。

そこで私は、

「③で‘減少する’って言ったけど、それはどの単語を見て言ったの?」

「‘decline’ですか」

「それは自信がある?」

「あまりないけど、音からして何となく減少していそうな感じ」

「それならもし、第4位に落ちた‘Y’が‘fruit juice’なら正解だね」として、

ここで初めて本文を読んで‘fruit juice’を探すように指示しました。

本文中には10行目に、

Fruit juice had fallen to fourth … with a drop in production …

とあり、‘fallen:落ちる、fallの過去分詞’などから
彼の推測が正しかったことがわかります。

先回はもう1つのポイントとして、「S + V + Oを確認すること」を挙げました。

実際の指導場面では、「主語はどれ?」「‘何が、どうした’っていっているの?」と
繰り返し確認をしています。

‘decline:下に(de)曲げる(cline)→断る、下落する’のような
語に対するストラテジーを伸ばすためには、
日頃から語根(cline)や接頭辞(de)、接尾辞、
さらに「音からの印象と意味」との相関性などについても再三指導をしています。

先回、そして今回とお話ししていることの1つは、
単語を丸暗記するような学習方法がいかに非効率的かということです。

これと同様に、語根や接頭辞、接尾辞を暗記することもお勧めしません。

これらを取り上げるのは、単語を分析的に捉える力をつけ、
場面や文脈から書かれた内容を推測する力を伸ばすためです。

このような練習を繰り返していけば、無理に暗記しようとなどしなくても、
いつのまにか必要な知識が身についてしまうものです。

なお、誤解のないようにしておきたいと思いますが、
私は「辞書が不必要」だと言っているのではありません。

私の授業ではまめに辞書をひかせます。

しかし異なるのは、それが単語の意味を調べるためではなく、
推測した意味を確認するためであるということです。

得てして予想は外れますが、大切なのは正否ではなく、
自分で考えるということです。

当法人のブログには、
今回の記事のメルマガの補足記事も載せましたので、ぜひこちらもご覧ください。https://rise.gr.jp/archives/7844

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《今日のポイント》

・ 意味がわからない単語は、S + V + Oを確認し、
 「‘pollution’が‘sea animals’を‘harm’している」などとして、
 場面や文脈から類推を働かせて読むようにする。

・「単語を覚えなきゃ、長文問題はできるようにならない」ではなく、
 上のような方法でまとまった英文を読むことを繰り返し、
 「読むことで、ボキャブラリーを増やす」ようにする。

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 次回は「日本語と英語:異なる点と似ている点(前半)」をお届けします。

 
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